サウナの医学的根拠を探る!「ととのい」の正体、健康効果について解説

2024年6月11日

サウナ 医学的根拠

近年のサウナブームにより、サウナを利用する方が増えてきています。
サウナを利用する方の目的は人それぞれですが、健康を目的にしている方も多いでしょう。

しかし、本当にサウナを利用することで健康効果は得られるのでしょうか?
そこで今回は、サウナの健康効果に関する医学的根拠について調査してみました。
サウナの医学的根拠について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

サウナの「ととのい」は自律神経の切り替えによるもの

サウナ ととのう

サウナに入って体を温めてから水風呂に入り、さらに外気浴で休憩する行為を繰り返すことを「サウナ浴」と言いますが、このセットを適切に繰り返すことで体は「ととのう」状態になります。
実際にサウナ浴を行っている人の中には「ととのう」感覚を理解している人は多いものの、具体的にどういった状態にあるのかよくわかっていない人も多いはずです。

高温のサウナから水風呂で一気に体を冷ますと、その温度差によって体には強い負荷がかかり、自律神経が自動的に副交感神経から交感神経に切り替わります。
水風呂に入ると交感神経が優位になり、アドレナリンなどの興奮物質が分泌されますが、水風呂から出て外気浴を行うと副交感神経が優位になり、体がリラックス状態に陥ります。
しかし、脳にはまだ興奮物質が残っている状態なので、頭は覚醒しているのに体はリラックス状態にある、いわゆる「ととのう」状態になります。

ととのっている状態の脳波をMEGと呼ばれる高精度の脳波計で解析すると、α波・β波の変化が顕著に見られたという結果が出ています。
特にδ波は低下していることがわかりました。

このことから、サウナ後のととのった状態は脳が深くリラックスしていながらも、眠気はなく、覚醒していることでクリエイティブな発想がしやすい状態と言えます。

サウナで脳回復効果も期待できる

脳回復効果

サウナに入ることで体の深部体温は上がりますが、脳を巡る血流量は低下します。
また、サウナ室に入ると外界の情報が遮断され、呼吸などに意識が集中するので、通常の脳の状態から集中している時の脳の状態に自然と切り替わります。

POINT

集中している時の脳は瞑想している時と同じで、脳がエネルギーを消費することもほとんどありません。
脳にかかる負荷が少なく、きちんと脳が休まります。

これによって脳に蓄積された疲労がしっかりと回復できるのです。

フィンランドのサウナに関する医学的根拠

フィンランドサウナ

サウナ発祥の地として知られるフィンランドは、現在もサウナ大国として多くの国民がサウナを利用しています。
そんなフィンランドでは50年以上にわたり、サウナの研究が進められてきました。

例えば東フィンランド大学ではフィンランド在住の男性約2,000人を対象に、20年にわたる調査を実施した結果、サウナに通う頻度が高い人ほど心臓病のリスクを含め全死因による死亡率が低かったという結果が出ています。
週に1回未満しかサウナに行かない人と、週4回以上通っている人を比較すると、突然死は後者で63%、冠動脈疾患死亡者は48%も低下していることがわかりました。

また、同じ論文にてサウナの入浴時間によっても効果に差があることが判明しています。
入浴時間が11分未満と19分以上で比較した場合、19分以上入浴した人の方が突然死や心疾患系疾患による死亡リスクは低かったとされています。
これは、サウナ浴によって心拍数が上がり発汗が促されたことで、運動と同じ効果が得られたのが大きな要因につながったのではないかと考えられています。

あくまでもフィンランドの調査結果になるため、日本人の場合は結果が異なることも考えられますが、こうした医学的根拠があることも知っておくと良いでしょう。

ウェットサウナとドライサウナ、医学的に良いのはどっち?

サウナにはフィンランド式サウナ(ロウリュ)やミストサウナ、塩サウナなど、様々な種類のサウナが存在しますが、大きく「ウェットサウナ」と「ドライサウナ」の2種類に分けられます。
医学的に健康効果が高いと言えるのは、ウェットサウナとドライサウナのどちらになるのでしょうか?

結論から言えば、比較的温度が低く湿度が高いウェットサウナの方が健康効果は高いと言われています。
健康効果が高いと言われる理由として、深部体温が38℃以上に上がりやすい点が挙げられます。
深部体温が38℃を超えるとHSP(ヒートショックプロテイン)が多く出現します。
HSPは熱による刺激で分泌され、組織の修復を図ろうとします。

POINT

38℃以下でもHSPは出てきますが、38℃以上になるとストレスから細胞を保護する「HSP70」の発現が2倍近く上がるため、深部体温を38℃以上にするとHSP70により体内のメンテナンスが行われ、健康効果が高くなると言えるのです。

ドライサウナとウェットサウナでは、ドライサウナの方が室温は高いものの、体の表面部分しか温度が上がっていない場合も多く、深部体温を28℃まで上げるためには15分×3セットの計45分はサウナに入っていないといけなくなります。
そもそもドライサウナは熱さや息苦しさなどから、15分も入り続けるのはかなり大変です。

しかし、ウェットサウナであれば10分×2セットで深部体温は38℃以上に達します。
このことから、健康効果と入りやすさを考慮すると、ウェットサウナを選んだ方が良いと言えるでしょう。

ザ・プロラボサウナは普通のサウナと「温め方」が異なる!

完全会員制・完全個室の高級プライベートサウナ「ザ・プロラボサウナ」は、個室のプライベート空間で自由にサウナを楽しめる施設です。
そんなザ・プロラボサウナは日本でも人気の「フィンランド式サウナ」や、従来から取り入れられている「ドライサウナ」とは異なった温め方が採用されています。

プライベートサウナ プロラボサウナ

従来のドライサウナは室温80〜110℃、湿度は10%前後で息苦しさを感じやすくなっています。
また、高温なので長時間入るのは難しく、深部体温までは上がりにくいサウナです。
フィンランド式サウナは室温70〜90℃、湿度は20〜30%でドライサウナよりも低温高湿であり、ロウリュによって湿度を高めることは可能です。
しかし、それでも湿度はまだ20〜30%と低めなので、深部体温を上げるまで少し時間はかかってしまうでしょう。

ザ・プロラボサウナでは、「マイナスイオン遠赤外線溶岩サウナ」を採用しています。
富士山の溶岩プレートによる特許技術によって、遠赤外線とマイナスイオンを含む蒸気を同時に発生させて体を温めます。

POINT

室温は65〜70℃、湿度は60〜70%でサウナ特有の息苦しさも少ないのが特徴です。
また、遠赤外線の効果により深部までしっかりと温熱が伝わりやすくなっています。

富士山の溶岩プレート

さらにザ・プロラボサウナではサウナ以外の設備も充実しており、例えば水素吸入マシンの「スイソニア」や医療用フットマッサージ機なども完備されています。
サウナ室は独自の温め方によって長く入れることから、カラオケやNetflix・Amazonプライムビデオが見られる環境も整っています。

プロラボサウナ スイソニア

プロラボサウナ カラオケ

今回は、サウナの医学的根拠についてご紹介してきました。
サウナの健康効果は近年注目されており、研究も積極的に行われてきています。
そのため、今後より確かな医学的根拠が発表される可能性も期待できるでしょう。

サウナの健康効果は入浴方法やドライサウナ・ウェットサウナによっても異なります。
深部体温を上げることや自律神経の切り替え、脳を回復させることなどを意識しつつ、自分に合ったやり方やサウナ施設を選んでみてください。